Amazon Adsスポンサーディスプレイ広告のコンテキストターゲティングAPI
コンテキストターゲティングは、関連性の高い商品詳細ページで、対象商品、類似商品、類似カテゴリーを積極的に閲覧しているオーディエンスに対して広告を表示して商品を宣伝するのに役立ちます。さらに、カテゴリーターゲティングや類似商品ターゲティングを使用すると、広告主様はショッピングおよびエンターテインメントジャーニーにおけるより多くのタッチポイントで、オーディエンスにリーチすることができます。コンテキストターゲティング戦略により、広告主様は、ターゲティング戦略に関連するコンテンツを閲覧しているAmazonストア内外の両方のオーディエンスにリーチできるようになりました。
コンテキストターゲティングキャンペーンでは、Amazon Ads APIの標準的な構造に従い、スポンサープロダクト広告キャンペーンと同じ文法でキャンペーンの作成と管理を行います。これまでにスポンサープロダクト広告キャンペーンを作成したことがある場合は、概念が非常に似ていることに気付くでしょう。
ヒント:動的ターゲティング
広告対象商品と類似する別の商品をターゲットに設定するために、すべてのキャンペーンで「similarProduct」ターゲティングを使用することをおすすめします。「similarProduct」で選択される商品は、広告対象商品に基づいて決まり、販売データに基づいて構築された機械学習モデルを使用して動的に生成されます。動的ターゲティングの詳細についてはこちらをご覧ください。
スポンサーディスプレイ広告のコンテキストターゲティングキャンペーンの作成
スポンサーディスプレイ広告のコンテキストターゲティングキャンペーンを作成するには、以下の手順に従います。
手順1: キャンペーンの作成
tactic
フィールドの値「T00020
」は、コンテキストターゲティングキャンペーンを指しています。
POST /sd/campaigns/ HTTP/1.1
[{
"name": "My contextual targeting campaign",
"tactic": "T00020",
"budgetType": "daily",
"costType": "cpc",
"portfolioId": 1234567,
"budget": 200.00,
"startDate": "20200810",
"endDate": "20301201",
"state": "enabled"
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"campaignId": "1234567890",
"code" : "SUCCESS"
}]
成功すると、レスポンスでキャンペーン識別子が返されます。この識別子は、次の手順で広告グループを作成するために使用されます。
「vcpm」という新しいcostType
がサポートされるようになりました。これは、より多くのオーディエンスにリーチすることが目標である場合に、認知度向上キャンペーンのビューアブルインプレッションに合わせて入札額を最適化するためのものです。「vcpm」入札は「cpc」入札とは根本的に異なることに注意してください。「vcpm」では、1,000回のビューアブルインプレッションに対して入札し、「cpc」では、1回のクリックに対して入札します。以下に例を示します。
POST /sd/campaigns/ HTTP/1.1
[{
"name": "My contextual targeting campaign",
"tactic": "T00020",
"budgetType": "daily",
"costType": "vcpm",
"portfolioId": 1234567,
"budget": 200.00,
"startDate": "20200810",
"endDate": "20301201",
"state": "enabled"
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"campaignId": "1234567890",
"code" : "SUCCESS"
}]
手順2: 広告グループの作成
この例では、広告グループを作成します。bidOptimization
を使用し、キャンペーン目標に基づいて入札額を最適化するためのコントロール機能を導入しました。キャンペーンを作成する際、広告主様はより高い検討目標またはコンバージョン目標のいずれかを選択できます。「clicks」を選択すると、広告主様の広告がクリックされる可能性が高いオーディエンスに広告が配信されます。「conversions」を選択すると、コンバージョン率が高くなるように入札額が最適化され、商品を購入する可能性のより高い買い物客に広告が表示されるようになります。「reach」を選択すると、入札額はビューアブルインプレッションに合わせて最適化されるので、より多くの買い物客に広告を表示できます。costType
として「cpc」を選択した場合、bidOptimization
は「clicks」または「conversions」のいずれかになります。
POST /sd/adGroups HTTP/1.1
[{
"campaignId": "1234567890",
"name": "My AdGroup for Campaign 1234567890",
"state": "enabled",
"bidOptimization": "clicks",
"defaultBid": "1.20"
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"adGroupId": "1234567891",
"code" : "SUCCESS"
}]
キャンペーンのcostType
が「vcpm」に設定されている場合にadGroupを作成する例を以下に示します。costType
として「vcpm」を選択した場合、bidOptimization
は「reach」に設定する必要があります。
POST /sd/adGroups HTTP/1.1
[{
"campaignId": "1234567890",
"name": "My AdGroup for Campaign 1234567890",
"state": "enabled",
"bidOptimization": "reach",
"defaultBid": "5.0"
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"adGroupId": "1234567891",
"code" : "SUCCESS"
}]
成功すると、レスポンスで広告グループ識別子が返されます。次の手順では、このIDを使用して、プロダクト広告とターゲットエクスプレッションを作成します。
手順3: プロダクト広告の作成
POST /sd/productAds HTTP/1.1
[{
"adGroupId": "1234567891",
"campaignId": "1234567890",
"sku": "SDTestContextualSKU3",
"state": "enabled"
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"adId": "1234567892",
"code" : "SUCCESS"
}]
成功すると、レスポンスで広告識別子が返されます。
手順4: ターゲット項目の作成例
similarProduct
ターゲティング
POST /sd/targets HTTP /1.1
[{
"adGroupId": "{{adGroupId}}",
"state": "enabled",
"expressionType": "manual",
"bid": "2.00",
"expression": [
{
"type": "similarProduct",
}
]
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"adId": "1234567892",
"code" : "SUCCESS"
}]
asinSameAs
ターゲティング
POST /sd/targets HTTP /1.1
[{
"adGroupId": "{{adGroupId}}",
"state": "enabled",
"expressionType": "manual",
"bid": "0.10",
"expression": [
{
"type": "asinSameAs",
"value": "B00362RVG0"
}
]
}]
HTTP/1.1 207 Multi-Status
[{
"adId": "1234567893",
"code" : "SUCCESS"
}]
ターゲティングエクスプレッションを作成すると、キャンペーンが有効になり、広告が配信されます。
上記のどの手順についても、それぞれのコンポーネント(キャンペーン、広告グループ、プロダクト広告、ターゲットエクスプレッション)の読み取り、更新、削除を行うための追加操作を使用できます。Open API仕様に各リクエストの形式が記載されています。次のセクションでは、キャンペーン管理の例について説明します。
キャンペーン管理
取得操作では、HTTPリクエストボディなしのHTTP GETメソッドを使用して、単一のキャンペーンまたはすべてのキャンペーンを取得します。
たとえば、識別子が1234567890
の単一のキャンペーンを取得するには、以下のようにします。
GET /sd/campaigns/1234567890 HTTP/1.1
同様に、広告主のすべてのキャンペーンを取得するには、以下のようにします。
GET /sd/campaigns/ HTTP/1.1
キャンペーン設定の更新
更新操作では、HTTP PUTメソッドを使用してキャンペーン値を変更します。campaignId
フィールドが必要な点を除いて、作成リクエストと同じ構造を使用します。例:
PUT /sd/campaigns/ HTTP/1/1
[{
"campaignId": "1234567890",
"name": "My contextual targeting campaign",
"tactic": "T00020",
"budgetType": "daily",
"budget": 200.00,
"startDate": "20191010",
"endDate": "20301201",
"state": "enabled"
}]
キャンペーンの削除
削除操作では、HTTP DELETEメソッド(HTTPボディなし)を使用して、単一のキャンペーンを削除します。たとえば、識別子が1234567890
のキャンペーンを削除する場合は、以下のようにします。
DELETE /sd/campaigns/1234567890 HTTP/1.1
レポート
コンテキストターゲティングのレポートAPIは、他の戦術の場合と似ています。違いは、tacticフィールドの値と、レポートリクエストを作成するときにコンテキストターゲティング固有の指標があることです。
{
"reportDate": "20200801",
"tactic": "T00020",
"metrics": "campaignName,campaignId,impressions,clicks,cost,attributedSales14d"
}
レポートリソースのリファレンスドキュメントで、レポートを作成してダウンロードする方法を確認できます。
除外ターゲティング
コンテキストターゲティングキャンペーンでは、/sd/negativeTargets
リソースを使用した除外ターゲティングが可能です。このリソースは、/sd/targets
で定義されている通常のターゲティングエクスプレッションと同じ形式ですが、すべてのターゲティングエクスプレッションが広告グループ内で除外される点が異なります。
たとえば、以下のように、IDが45678
のカテゴリをターゲットとするターゲティングエクスプレッションをすでに作成しているとします。
POST /sd/targets HTTP/1.1
[{
"adGroupId": "1234567891",
"state": "enabled",
"expressionType": "manual",
"bid": "1.10",
"expression": [
{
"type": "asinCategorySameAs",
"value": "45678"
}
]
}]
以下(本文は同じですがリソースが異なるもの)を使用することで、該当カテゴリのうち、ブランドIDが98765
であるブランドをターゲットから除外することができます。
POST /sd/negativeTargets HTTP/1.1
[{
"adGroupId": "1234567891",
"state": "enabled",
"expressionType": "manual",
"expression": [
{
"type": "asinBrandSameAs",
"value": "98765"
}
]
}]
リファレンス
使用可能な各コンテキストターゲティング項目の特性を以下に示します。
コンテキストターゲティング項目 | 説明 |
---|---|
asinSameAs | 同じASINの商品をターゲットにします |
asinCategorySameAs | 同じカテゴリーの商品をターゲットにします |
asinBrandSameAs | 同じブランドの商品をターゲットにします |
asinPriceBetween、asinPriceGreaterThan、asinPriceLessThan、asinReviewRatingLessThan、asinReviewRatingGreaterThan、asinReviewRatingBetween | ASIN固有の基準に基づいて商品を閲覧したオーディエンスをターゲットにします |
asinIsPrimeShippingEligible | Amazonプライム配送対象商品をターゲットにします |
asinAgeRangeSameAs | 特定の年齢層の商品をターゲットにします(おもちゃやゲームなど、特定のカテゴリーにのみ適用されます) |
asinGenreSameAs | 特定のジャンルの商品をターゲットにします(書籍カテゴリーにのみ適用されます) |
similarProduct | 広告対象ASINに類似した商品をターゲットにします |
次のステップ
すでにアカウントをセットアップした場合は、Postmanを使用してスポンサーディスプレイ広告を作成することができます。